漢方コラム・ニュース

めまい・耳鳴り

2024/03/28
めまいと漢方の考え方

■めまいとは?

めまいとは、何らかの原因で、平衡感覚が乱れて起こる『症状』のことを言います。

 

病名と勘違いしがちですが、めまいがイコール病気とは限りません。

 

ストレスや睡眠不足などで、一時的に起こることもあります。

 

ただし、頻繁に起きたり定期的に起きる方は、病気が隠れていることもあるため注意が必要です。

 

ここでは、めまいの原因や症状、そして『どんなめまいに漢方が向いているのか』について説明します。

 

 

■原因と症状

めまいは平衡感覚の乱れで起こりますが、その感覚は『耳』と『脳』で感じています。

 

そのため、めまいが起きた場合、西洋医学では一番に『耳と脳』の異常を疑います。

 

ところが、めまいはそれ以外の原因でも起こることがあります。

 

ここでは症状から、それ以外の原因も含め分類します。

 

 

①ふわふわするめまい

足下がふわふわするめまいは、脳が原因で起こることがあります。

脳の病気(脳梗塞、脳内出血、脳腫瘍など)をはじめ、自律神経やホルモンバランスの失調 等でも、血液やリンパの流れなどが乱れて、ふわふわするめまいが起きることがあります。

 

 

②ぐるぐる目がまわるめまい

ぐるぐると目がまわるめまいは、耳が原因で起こることがあります。

乗り物酔いのような症状が特徴で、耳鳴りを伴うこともあります。

耳石がはずれて起こる 良性発作性頭位めまい症 をはじめ、突発性難聴、メニエール病、前庭神経炎 などで起こります。

 

 

③立ちくらみ・気を失いそうになるなるめまい

脳へ送られる血液が不足することで、立ちくらみの様なめまいが起こることがあります。

貧血や過労、起立性調節障害、ストレス、心臓の病気、内分泌疾患(甲状腺機能低下など)様々な原因で起こることがあります。

 

 

④その他のめまい

めまいの中には、薬の副作用で起こるものもあります。

めまいを起こす薬はいくつかあり、薬のタイプ(降圧剤、睡眠剤、抗生物質など)によって起こる症状が異なります。現在飲んでいるお薬やサプリなどありましたら、必ずお伝えください。

 

 

 

■漢方の考え方

漢方では、めまいの原因として、以下のものが挙げられます。

 

☑余分な水分

体の中に余分な水分が滞ると、それが粘っこい痰湿(たんしつ)や痰濁(たんだく)といったものに変化します。それらが頭部に溜まると、内耳の中の水の巡りが悪くなり、めまいを起こす原因となります。

こういった場合、体の中に生まれた痰湿や痰濁を取り除いたり、利水作用のある漢方薬を用いることで、余分な水分をなくします。

 

例)半夏白朮天麻湯、五苓散、苓桂朮甘湯、温胆湯

 

 

☑気血の不足

気(エネルギー)や血(栄養)が不足すると、頭部に栄養を送り届けることができず、めまいが起こりやすくなります。胃腸の弱い方、女性、高齢者などに多くみられ、天候などの環境の変化に弱い傾向がみられます。

気血は、胃腸の働きや呼吸により作られるため『胃腸や肺を元気にする漢方薬』や『血を補う漢方薬』などを用います。

 

例)麦味参顆粒、婦宝当帰膠、補中益気湯、心脾顆粒

 

 

☑腎精不足

腎精とは、成長や発育、生殖機能などに関わる『生命エネルギー』のことを指します。

人の寿命をろうそくに例えると、腎精はろうの部分にあたります。

加齢、過労ぎみの方、更年期、病中病後の方などに多くみられ、腎精が不足すると、めまいや耳鳴り、物忘れといった老化現象が現れたり、ホルモンバランスが崩れたりします。

また腎精が不足している方は、血の巡りが悪いことが多いため、『補腎薬:腎精を補う』と共に『活血薬:血の巡りを良くする』などを一緒に用いることがあります。

 

例)亀鹿仙、双料杞菊顆粒、冠元顆粒

 

 

☑神経の高ぶり

神経が高ぶり過ぎると、脳が興奮ぎみになり、めまい・イライラ・怒りっぽいなどの症状が現れます。

漢方では、このような状態は、肝陽上亢(かんようじょうこう)と呼ばれ、気が頭部にのぼり、熱を帯びた状態と考えます。また熱で、体の中の潤いが蒸発すると、その際に生まれる気流(内風)が頭部へとのぼり、脳が興奮状態におちいりやすくなります。改善するためには、体にこもった熱をとり、気をしずめる漢方薬などを用います。

 

例)瀉火利湿顆粒、能活精

 

 

☑その他

肩こり・眼精疲労・耳石がはずれる などでも、めまいが起こる事があります。

肩こりが原因の場合は、芍薬などが入った『筋を柔らかくする漢方薬』用いたり

眼精疲労が原因の場合は、『目を滋養する漢方薬』

耳石がはずれる場合は、『補腎薬』などを用いる場合があります。

 

 

 

■まとめ

漢方は以下のような、めまいの方におすすめします。

 

●病院の検査で、脳などに異常がない方

 

●体質から見直したい方

 

●薬を飲んでも、効き目が不十分な方

 

めまいは、身近に起きやすい症状なだけに、気にとめず放置することが多くあります。

ただその裏側には、様々な体の不調が隠れていることがあり、知らないうちに病気が進行していることも少なくありません。

 

めまいが続く、色々試したが効果を感じにくい等、お困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

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