2024/04/07 |
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花粉によるかゆみ・湿疹・肌荒れ について【花粉皮膚炎】 |
花粉皮膚炎とは、花粉症の症状の中の一つです。
花粉の多い2~5月に多くあらわれ、痒み・赤み・皮膚のむくみ 等の症状が現れます。
顔・目のまわり・唇・首元 など、露出している部位に起こりやすく、皮膚の薄い目元・唇などに、症状が強くでやすい傾向があります。
因みに 花粉皮膚炎は、鼻水やくしゃみを伴わないことがあるため、花粉が原因と知らずに放置していることも少なくありません。
なお花粉皮膚炎は、紫外線や化粧品など 様々な要因で悪化することがあります。
症状がひどくなる前に、しっかりと対策をたてましょう。
花粉皮膚炎は、肌が過敏に反応しておこる【アレルギー症状】です。
花粉を異物とみなすと、体の中でヒスタミンやロイコトリエンといった物質が分泌され、それらが炎症やかゆみを起こします。
本来ヒスタミンやロイコトリエンは、異物の侵入を知らせるために炎症反応を起こすことで、免疫細胞やタンパク質を呼び集め、組織の修復を促す働きがあります。
ところがアレルギー反応を起こすと、ちょっとした異物に対してすぐに反応してしまう【免疫の過剰反応】により、炎症やかゆみなどが、通常より激しく現れてしまいます。
このようなアレルギー反応の多くは、いくつかの要因がかさなって起こるため、炎症や痒みを一時的に抑えるだけでなく、その原因を改善することが大切です。
花粉皮膚炎が起きる・悪化する要因
☑肌のバリア機能が低下している場合
肌のタンパク質やコラーゲンが不足すると、皮膚粘膜が薄くなり、保湿効果も弱まります。そのため花粉などの異物が、直接肌に触れやすくなり、皮膚の炎症が起こりやすくなります。
☑体に炎症がある場合
アトピーや副鼻腔炎など、慢性的な炎症があると、免疫の働きが悪くなり、アレルギー反応を起こしやすくなります。このような場合、皮膚炎を抑えるだけでなく、体の中の炎症を鎮めることが大切です。
☑腸内環境が悪い
便秘や偏食などで腸内環境が悪くなると、悪玉菌が多く繁殖し、有害物質を生み出します。この有害物質が、腸管から血液を介して、全身を巡り皮膚に届くと、皮膚のトラブルを生む原因となります。
☑自律神経の乱れ
自律神経は心臓や血管の動きを調整し、血液の流れをコントロールしています。自律神経が乱れてしまうと、血液の流れが悪くなるため、肌に十分な栄養が送り届けることができず、肌の再生力が低下します。
☑飲食の関係
香辛料のような刺激の強いものは、皮膚の炎症を悪化させることがあります。また味の濃いもの・脂っこいものの取りすぎも、体の中を酸化させ、炎症を起こす原因となります。その他、飲酒(毎日)や喫煙なども、皮膚の状態を悪くする原因になるため控えましょう。
①スキンケア
当店では、スキンケアの一つに、瑞花露(すいかろ)シリーズをお勧めしています。『紫根』などの炎症を抑える生薬をはじめ、潤いを与える当帰などが含まれており、正常な肌の状態へと導いてくれます。また花粉皮膚炎以外にも、アトピーなどの敏感肌の方にもお勧めです。
②漢方
花粉皮膚炎の場合、風邪(ふうじゃ)や熱邪(ねつじゃ)といった病邪が原因で、皮膚に炎症が起こると考えます。風のように急に現れるのが特徴で、皮膚や鼻・のどなどの呼吸器に、強い炎症を起こします。
漢方薬としては、消炎作用のある『瀉火利湿顆粒』や『清営顆粒』『五涼華』などを用いたり、皮膚のバリア機能を高める『衛益顆粒』などで予防をします。
③生活習慣
・睡眠
睡眠中は、肌の再生が最も盛んに行なわれます。特に10時~2時までの間は、成長ホルモンの分泌が増えて、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が活発に行なわれます。夜のスマホの見過ぎ・ゲームなどは、睡眠の質を悪くするだけでなく、肌の再生力を落としてしまうので避けましょう。
・食生活
食生活の乱れは、腸内環境を悪化させ、皮膚の状態を悪くします。偏食を避け、食物繊維やミネラルなど意識してとりましょう。また葉物野菜(紫蘇)、酢の物、などは、体の中の活性酸素を減らし、炎症を鎮めるのにお勧めです。逆に、トマト、りんご、桃 などは、摂取すると花粉症と同じような症状が現れることがあるため避けましょう。(※以下の野菜や果物は、花粉と似た形のタンパク質を持っています:交差反応)
・その他
花粉の多いシーズンは、皮膚の露出は、極力さけましょう。
また過度な洗顔やクレンジングは、皮脂を落としすぎて、肌のバリア機能を低下させるので厳禁です。
過労・ストレスなども、皮膚の状態を悪くする要因となるため、体を休める時間をつくりましょう。
花粉皮膚炎に気をつけたい方の特徴として、以下のものが挙げられます。
☑ 乾燥肌・肌が弱い
☑ 睡眠不足・ストレス・過労
☑ アトピーなどの慢性炎症がある
☑ 過度な飲酒・喫煙
☑ 偏食 等
花粉皮膚炎は、放置すると痒みや炎症が悪化したり、掻きむしると色素沈着を起こすことがあります。
また花粉症と無縁な方も、突然発症することがあるため、心当たりのある方は、早めにご相談ください。