2024/07/19 |
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男性不妊と漢方薬 ~妊活は男性もご一緒に~ |
妊活は女性だけでなく、男性も一緒に取り組むことが大切です。
不妊の原因の半分は男性側にもあるとされ、近年、男性不妊は増加傾向にあります。
前回の記事の冒頭(今から始めよう『妊娠しやすい体づくり』)でも触れましたが、晩婚化が進んだことによる加齢はもちろん、ストレス、生活習慣や食生活の乱れもまた男性不妊が増える原因となっています。
(前回の記事、今から始めよう『妊娠しやすい体づくり』はコチラ!)
男性不妊の原因は大きく分けて、「造精機能障害」「精路通過障害」「性機能障害」「精子機能障害」の4つがあり、そのうち「造精機能障害」が約9割を占めています。
造精機能障害は名前の通り、精子を製造する機能に問題がある状態のこと。
精子の状態によって乏精子症、精子無力症、精子奇形症、非閉塞性無精子症などがあります。
造精機能障害は半数以上が原因不明であり、残りが精索静脈瘤やホルモンの低下によるものになります。
漢方では男性不妊を、生命維持や生殖機能を管理する『腎(じん)の弱り』(腎虚(じんきょ))と捉え、精子量の減少、運動率の低下、奇形率の増加、性欲や精力の減少、EDなどの原因になると考えます。
「腎」が弱る主な原因は「加齢」ですが、若い方の腎虚の場合、過労・ストレス・不規則な生活習慣・食生活の乱れなども腎虚の原因となっています。
また、ストレス・不規則な生活習慣・食生活の乱れなどの問題は、気血(エネルギーと栄養)の不足や滞り、湿熱(体に余分な水分(湿)と熱が溜まった状態)などを引き起こし、精子の質や量を低下させる原因に繋がります。
そのため男性不妊では、腎の働きを助ける『補腎薬(ほじんやく)』や、症状や体質に応じた漢方薬やサプリメントを用いるだけでなく、日々の養生も合わせて行うことが大切になってきます。
①長時間のお風呂やサウナは避ける
精巣は熱に弱いため、長時間のサウナや熱いお風呂、ノートパソコンを膝の上に置くことなどは避けるようにしましょう。
また、密着性の高い下着や衣類、長時間のデスクワーク、自転車やバイクに乗り過ぎることも、精巣に熱がこもり、精巣を圧迫し血流が悪くなる原因となります。
これらの要因は、精子の質を低下させるだけでなく、勃起障害(ED)の原因にもなるため、控えることが大切です。
②たばこと過度のお酒は控える
喫煙や過度な飲酒は正常な精子の形成を妨げ、精子の運動量や量の低下、さらにはEDなど性機能障害の原因となります。
③質のよい睡眠をとる
睡眠不足や、睡眠の質が悪いと精子の質が低下する事がわかっており、しっかり睡眠をとる事が大切です。
しかし睡眠時間は長すぎてもよくないため、7時間程度の睡眠が理想的です。
④バランスの良い食事
栄養バランスのとれた食事を心掛け、特にビタミンやミネラル(亜鉛など)、抗酸化物質を多く含む食品を積極的に食べるようにしましょう。
⑤ストレスを溜め込まない
ストレスはホルモンバランスを乱し、精子の質や量の低下につながります。
適度な運動、趣味を楽しむ、リラクゼーション法(ヨガや瞑想など)等を行い、ストレスを発散させましょう。
妊活を目的に来店される方の多くは女性ですが、
近年では男性不妊の割合も増えており、ご夫婦で来店される方も多くいらっしゃいます。
妊娠はパートナーとの共同作業になるため、女性と男性が一緒に健康な体作りを目指し、妊活に取り組むことで、より良い結果を期待することができます。
妊活の際は、ぜひパートナーとご一緒にご相談ください。