2024/07/12 |
---|
更年期のお話 ~大豆イソフラボンと漢方について~ |
『大豆イソフラボン』といえば、以前より更年期症状に用いられ、話題を集めていますね。
医院やドラッグストア等でも販売され、商品名だと、エクオールやエクエルなどが有名でしょうか。
大豆イソフラボンに含まれる成分が、女性ホルモン(エストロゲン)に似た形状を持っていることから、類似した作用があるとされ、ホルモン補充療法の合わない方や、副作用を気にされる方などに、幅広く愛飲されています。
ただ健康食品の扱いなので、説明書をよく読むと、効能効果は記載されておらず『有用性が期待される』といった曖昧な表現に留まっています。
そこでよく聞かれるのが、『大豆イソフラボンと漢方』の比較 について
ここでは、それぞれの役割について説明します。
大豆イソフラボンの役割を簡単に説明すると『女性ホルモンの働きを助ける』ことです。
商品ごとに細かい違いはありますが、目的はそこにあります。
厚生労働省のHPによれば・・・
大豆イソフラボンアグリコンは、分子構造がヒトのエストロゲン(女性ホルモン)に似ているため、エストロゲンに似た作用を生じることが知られています。 エストロゲンは、第二次性徴の発現や月経周期の調節などの重要な働きを担っています。
↑エストロゲンが急速に減る更年期の方には、良さそうですね。
ただ健康を維持するための食品(またはサプリ) になるので、続けて摂取しないと、有用性は得られにくいようです。
実際、食品として継続摂取することを前提に作られているため『辞めどき』についても明記されていません。
また有用性には個人差もあるようで、2~3ヶ月以上飲むことで、健康増進に寄与すると考えられています。
では漢方は、更年期症状に、どんな役割をもたらすのでしょうか。
漢方の目的は『心身のバランスを整えて、更年期に起こる諸症状を緩和』することです。
置き換えると、自分の力で更年期症状を緩和させる ことに重きを置きます。
そのために大切なのが、五臓のバランスです。
五臓には、それぞれ役割があり、バランスをとりながら体の機能を維持しています。
五臓の働き(=体の機能)が弱ると、どんなに良い栄養をとっても、体の中でうまく吸収したり利用することはできません。また更年期の不調が、女性ホルモンの減少だけで起こるわけではなく、外的要因(外邪)の影響で起こる場合もあります。
漢方では、内的要因(体の機能低下など)・外的要因(病邪など)を考慮し、不調が起きている背景から見直すことで、更年期症状の緩和を目差します。
それぞれの役割について、以下簡単にまとめると
・大豆イソフラボンは、健康によい食品またはサプリ(医薬品のような効能効果はない)
・大豆イソフラボンは、女性ホルモンの働きを助けると考えられている
・大豆イソフラボンは、健康を維持するために継続して摂取する必要がある
・漢方薬には、健康食品・医薬品 両方がある(医薬品には効能効果あり)
・どんなに良い栄養を摂取しても、体の機能が落ちていれば、吸収や利用はうまくいかない
・漢方薬は、心身のバランスを整え、体の機能を高めてくれる
大豆イソフラボンと漢方薬、お互いの利点を取り入れることは、さらなる効果の向上に役立つと考えられます。更年期症状は、症状の程度に個人差はあるものの、男女問わず訪れる可能性があります。
それぞれの役割を理解し、上手に取り入れて、ツライ更年期を乗り切りましょう!