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2023/08/23
夏バテと鉄不足 

8月も終わりに差し掛かり、『夏バテ』を訴える方が、増えてきました。

疲れやだるさ、食欲不振や睡眠不足など、症状も様々ですが、『夏バテ』の陰に『鉄不足』が潜んでいる場合があります。では、なぜ『鉄不足』が『夏バテ』の原因になるのでしょうか?

それには、体内での『鉄の役割』・『鉄不足の原因』を知ることが不可欠です。

 

 

■鉄の役割

体内での鉄の役割には、以下の様なものがあげられます。

 

① 酸素の運搬に必要

鉄は、酸素を運搬する赤血球の中に含まれる『ヘモグロビン』の補酵素として利用されています。鉄が不足するとヘモグロビンが作られないため、酸素がうまく運搬できず、動悸・息切れ・めまい・立ちくらみ(貧血) などを起こす原因になります。

 

 

② 体を動かすエネルギー(ATP)を作る際に必要

体を動かすのに必要なエネルギーは、細胞内のミトコンドリアで作られます。その際に、鉄やビタミンなどの補酵素が必要なため、不足すると、体内でエネルギーがうまく作れなくなり、疲れやすい・やる気が起きない・胃腸機能の低下 など、体全体の代謝が落ちる原因になります。

 

 

③ 脳内の伝達物質を作る際に必要

鉄は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ドーパミンなど)を作るときに必要な、補酵素として利用されています。よって鉄が不足すると、伝達物質が作られず、うつ・パニック障害・認知機能の低下 などを起こす原因になることがりあります。

 

 

④ 爪や髪をつくる材料

鉄は、爪や髪をつくる際に必要な材料として用いられます。よって不足すると、爪がスプーン上に凹んだり、髪の潤いがなくなり、抜け毛などを起こす原因になります。

 

 

 

■鉄不足の原因

鉄不足には、以下の原因があげられます。

 

① 汗のかきすぎ

鉄不足といえば『貧血』で起こるイメージですが『汗を大量にかく』ことでもおこります。

汗は、血液から作られており、鉄などのミネラルを含んでいます。 通常は、貯蔵鉄(フェリチン)という形で、体の中に蓄えられているため、少々のことでは鉄不足は起こりません。ところが、夏も終盤になると、

継続的に汗をかく機会が増えるため、その結果 貯蔵鉄が不足し『鉄不足』の原因になることがあります

 

 

② 食欲不振

夏の間、冷たい物の取りすぎで、胃腸を冷やしてしまい、消化が落ちることがあります。鉄は胃酸の働きにより、吸収されやすい形に変化することで、体の中に入りますが、胃腸の機能が落ちてしまうと、充分な胃酸が分泌されず、鉄を取り込むことが上手くいかなくなることがあります。その結果、鉄不足を起こしてしまいます。また胃潰瘍・胃炎・逆流性食道炎 などで、胃酸の分泌を抑える薬を連用している方も、鉄の吸収が落ちている場合があるため注意が必要です。

 

 

③ 生理

生理になると出血するため、鉄不足になり貧血を起こしやすくなります。また子宮筋腫などがあると、出血量も多くなることがあるため注意が必要です。月経過多ぎみの方は、鉄分を補うだけでなく、その原因の治療をおこなうことも大切です。

 

 

④ 慢性炎症

体の中で慢性炎症が起きていると、体は感染症を起こしていると判断し、細菌などが鉄に利用されないように、血中の鉄を減らすように作用します。

自己免疫疾患(リウマチなど)・悪性腫瘍・慢性感染症・脂肪肝・糖尿病・老化・喫煙・ストレスなどは、

慢性炎症を起こす原因となるため、鉄不足に注意しましょう。

 

 

普段、血中の鉄分は【肝臓・膵臓・骨髄・マクロファージ】などの働きにより、リサイクルして使われています。そのため、出血などがない限り、極端に鉄が不足することはありません。

ところが、上記のようなことが起こると【血が不足=鉄不足】の原因になる場合があります。

鉄欠乏性貧血を知る | ファーマスタイル | m3.com

 

 

夏バテ原因の意外な盲点である『鉄不足』。

 

その中でも特に注意したいのが、①と②です。胃腸を冷やし過ぎず、水分だけでなくミネラルの補給も忘れずにおこないましょう。

 

 

 

■鉄剤の種類と注意点

鉄剤は、大きく分けて2種類【ヘム鉄・非ヘム鉄】あり、吸収の仕方が異なります。

●ヘム鉄(Fe2+)・・・別名、二価鉄。そのままでは体内に取り込まれない。胃酸などにより三価鉄に還元されてから、十二指腸より吸収される。酸化を受けにくいので安定性は高い。

●非ヘム鉄(Fe3+)・・・別名、三価鉄。そのまま体内に吸収されるため吸収率は高め。膵臓などで貯蔵される時も、この形で取り込まれる。酸化反応を受けやすいため安定性は低い。(病院から処方される薬の多くは、こちら。徐放性などにし安定性を高めています)

 

ヘム鉄・非ヘム鉄ともに、鉄剤特有の副作用があり、主に、胃腸障害・吐き気・むかつき・便秘(黒色便)などを起こすことがあります。

 

また体の中で、鉄だけが不足している状態はほぼなく、その他のミネラルやビタミンも不足していることが多くあります。鉄だけを補うのではなく、その他の栄養素も一緒にとることが大切です。

 

※当店では、牡蛎肉エキスなど、食べ物由来のミネラルを含むものを取りそろえています。気になる方は、お気軽にお声がけください。

 

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