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ムラオカニュース

2024/02/13
首・肩・手指などの【こわばりや痛み】について

寒くなると、体のいたる所に『こわばりや痛み』を訴える方が増えてきます。

その中でも多いのが、首・肩・手指などの関節。

 

・カイロを当てたり、マフラーや手袋をしているのに変わらない

・痛み止めや湿布が効かない

 

↑なんてお話を、よく耳にします。

寒くなると現れるのだから、冷えが原因だろうと、漠然とした理由から、温めたり痛み止めを飲んでみるも

変化がみられない・・・ ではこんな時、何が原因で『こわばりや痛み』が起きているのでしょうか?

 

 

■更年期との関係性

こわばりや痛みの原因として、よく挙げられるのが『更年期障害』

更年期になると女性ホルモンの分泌が減り、様々な症状が現れやすくなります。

 

例えば、手足の指や膝などの関節。

女性ホルモン(特にエストロゲン)には、血管を広げ血流を良くしたり、関節などを滑らかにする滑膜の形成を促す働きがあります。そのため不足すると、手指の関節の動きが悪くなり、こわばりや痛みの原因になることがあります。また血行不良から、肩や首回り、背中などに『こわばりや痛み』が現れることも少なくありません。女性ホルモンの分泌が減る 40代~50代の更年期の方は、特に注意が必要です。

 

ただ『こわばりや痛み』の原因は、それだけとは限りません。

『自分はまだ更年期の年齢じゃないのに・・・』そんな疑問をお持ちの方は、漢方を試してみることをお勧めします。

 

 

■体質・環境的な要因

更年期に係わらず、『こわばりや痛み』の背景には、『体質』や『環境』が関係しています。

特に冬場は、『寒邪:かんじゃ』といって、体を冷やす邪気が体内に侵入しやすく、血行不良に陥りがち。

また、体温を一定に保つため、いつも以上に気血(エネルギー)を消耗するため、筋へ栄養を送り届けにくくなり『こわばりや痛み』が起こりやすくなります。

 

単純に痛みをとる漢方薬や、こわばりをとる漢方薬を飲んでも、効果が不十分に感じることもあるため、

しっかりと体質や環境を見極めてから、漢方薬を選ぶことが大切です。

 

~体質のタイプ例~

①冷え性や貧血がある場合

冷え性や貧血のある方は、気血の量が足りないことが多く、血流を良くするだけでは改善しにくいケースがあります。そういった際は、『婦宝当帰膠』や『当帰芍薬散』のような『補血薬』を用いると効果的な場合があります。

 

②神経痛がある場合

三叉神経痛などの神経痛がある場合も、こわばりや痛み、しびれなどを起こすことがあります。

最近多いのが、スマホやPCの使い過ぎ。長時間、同じ姿勢をとるため、神経を圧迫し後頭神経痛などを起こすことがあります。こういった時は、経絡の流れをよくする『疎経活血湯』や『独歩顆粒』を用いると効果的な場合があります。

 

③加齢が原因の場合

年齢を重ねると代謝が低下し、体のあらゆる機能の働きが弱まります。漢方では、それを『腎虚:じんきょ』と呼び、人がもつ生命エネルギーが減ることで起こると考えます。こういった場合、『補腎薬』や血液の流れを良くする『活血薬』を一緒に用います。

 

④ストレスが原因の場合

ストレスでも『こわばりや痛み』がでることがあります。ストレスがかかると、人は無意識のうちに身を守ろうと筋肉が緊張し、凝り固まります。そこに血行不良が生じると、筋肉に栄養を送り届けることができず、こわばりや痛みが発生します。

 

またストレス自体も、痛みの元となる物質(ブラジキニンやプロスタグランジン)を生むため、痛みの原因になることがあります。それに加え冬場は、日照時間が減り、痛みを抑える伝達物質(セロトニン)の生産量が少なくなるため、痛みの影響をさらに受けやすくなります。そのような場合、ストレスにより消耗した陰血を補う『心脾顆粒』や『天王補心丹』などの漢方薬を用います。

※季節によって、ストレスに用いる漢方薬が異なる場合があります。

 

 

■まとめ

● こわばりや痛みの原因は、更年期だけではない
● 体の外側だけでなく、内側から整えることが大切
● 体質や環境によって、漢方薬も変わる

『こわばりや痛み』は繰り返しやすく、症状が慢性化することもあります。

生活に支障をきたさないためにも、早めに対処することが大切。

気になる症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

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