| 2026/03/12 |
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| SSRIが効きづらい『うつ病』について |
「心療内科で処方されたお薬を続けているけれど、なかなかスッキリしない……」
そのような切実なお悩みを抱えた方が多く相談に来られます。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内のセロトニンを効率よく使えるように整えるお薬です。うつ病治療によく用いられていますが、なぜその効果を十分に実感しにくいケースがあるのでしょうか?
その鍵を握るのは、お薬が働くための『心身の土台(体質)』と、脳内の生化学的なスイッチである
『メチル化(メチレーション)』のバランスが関係していることがあります。
メチル化とは、脳の栄養(BDNF)を作ったり、ストレスのスイッチを管理したりする役割があります。ここが乱れると、脳内でボヤ(炎症)が起きたり、お薬の成分がうまく運ばれなくなったりして、SSRIの力が十分に発揮しづらくなることがあります。
メチル化は、DNAのスイッチを切り替えたり、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を「合成・代謝」したりする非常に重要な役割りがあります。
低メチル化(セロトニン不足): セロトニンを作るスイッチが入りにくく、材料(原料)が慢性的に不足している状態です。SSRIで再取り込みを防いでも、もともとの量が足りないため、効果が実感しづらくなります。
高メチル化(神経過敏): セロトニンが分解されにくかったり、神経の感受性が高まりすぎていたりして、脳が常にオーバーヒートしている状態です。お薬を飲むと、かえってイライラや不安が強まることがあります。
こうしたメチル化の異常は、遺伝子(MTHFRなど)や特定の栄養素の不足が関わっているとされます。しかし、サプリメントなどで特定の栄養を入れるだけでは、体がうまく処理しきれないこともあります。
そこで重要になるのが、漢方による『心身の土台(環境)整備』です。
① 燃料の源を強化する(腎精不足≒低メチル化)
「低メチル化」でエネルギー不足の方は、漢方でいう『腎(じん)』が弱っていることが多いです。
漢方の視点:
腎精は生命の根源的なエネルギー。ここが不足していると、セロトニンを合成する力そのものが湧いてきません。
アプローチ:
『補腎薬(ほじんやく)』などで生命力の底上げを行い、メチル化がスムーズに回るための「燃料」を補給します。
② 渋滞を解消してスイッチを正常化する(肝鬱・少陽≒高メチル化)
「高メチル化」で脳が空回りしている方は、「気の巡り(肝)」や「調整スイッチ(少陽)」に問題があることがあります。
漢方の視点:
ストレスによる気の滞りが、メチル化のプロセスを物理的・エネルギー的にブロックし、情報の伝達を狂わせます。
アプローチ:
『疏肝薬(そかんやく)』や『スイッチを滑らかにする調整薬』を使い、お薬に対する体の感受性を正常に戻します。
③ 通り道を掃除する(痰湿・瘀血)
脳内に「ゴミ(痰湿)」や「血の滞り(瘀血)」があると、メチル化に必要な栄養素や酸素が細胞に届かず、お薬の成分も浸透しません。
対策:
『化痰薬(かたんやく)』や『活血薬(かっけつやく)』などを用いて脳内をクリアにし、生化学的な反応がスムーズに起きる場を作ります。
お薬が効きにくい背景には、脳内の「化学反応(メチル化)」の停滞だけでなく、他にも脳内の炎症状態や、神経の栄養不足(BDNF)、自律神経の過緊張、腸内環境など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
お薬が効きにくいと感じるとき、それはお薬の良し悪しではなく、あなたの体が「今の状態に合わせたケア」を求めているサインかもしれません。
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