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ムラオカニュース

2023/05/19
片頭痛のタイプと漢方対策

■頭痛もいろいろ

風邪を引いた時や、二日酔い、PCやスマホを長時間使った後など、多くの方が経験したことのある頭痛。 痛み止めを飲めば、すぐに落ち着くこともあり、たいした症状と感じにくいですが、慢性化し繰り返す頭痛となると、話は変わってきます。会社に行けなくなったり、家事に影響がでるなど、日常生活に支障を来すことも少なくありません。約4,000万人の方が発症しているとされる慢性頭痛。その中でも、とりわけ厄介な片頭痛には、以下の特徴が挙げられます。

 

 

■片頭痛の特徴

☑ 慢性頭痛の一種

 

☑ 頭の片側または両側に、脈打つような痛みがある ⇒ こめかみ~目にかけて好発

 

☑ 頭痛以外に、吐き気や嘔吐を伴うことがある

 

☑ 体を動かすと、頭痛が悪化する

 

☑ 前兆が約4割の方にみられる ⇒ キラキラ・ギラギラした光(閃輝暗点)、眠気、肩こり、空腹感 等

 

☑ 数時間~数日痛みが続くことがある

 

☑ 女性の20~40代に多い ⇒ 50代以降から症状が軽くなる傾向

 

☑ 音、光、におい、ストレス、疲労や睡眠不足、気圧の変化、生理のタイミング、血糖値の低下(空腹時) などが引き金で発症しやすい

 

☑ チーズ、赤ワイン、チュコレート など特定の食べ物が刺激になることがある

 

☑ 脳血管が拡張 ⇒ 血管周りの三叉神経を刺激 ⇒ 炎症物質を遊離 ⇒ 刺激が脳へ ⇒ 痛みを誘発

※機序は完全に解明されていません。

 

 

 

■緊張型頭痛との混合型

慢性的に続く頭痛の中には、片頭痛以外にも緊張型頭痛があります。片頭痛は、脳の血管が広がることで起こりますが、緊張型頭痛は、脳の血管が収縮する時に起こります。パソコン作業など、長時間同じ姿勢をとる方に多く、後頭部から首筋にかけて、ギューッと締め付けられるような痛みが現れるのが特徴です。

 

厄介なのは、緊張型頭痛と片頭痛が両方おこるタイプ。日によって変わったり、たまに片頭痛を起こすタイプがあります。片頭痛と緊張型頭痛は、治療法が真逆なため、見極めが大変重要です。

 

頭痛 偏頭痛?緊張型? | 運動のススメ | 健康文化をクリエイト「株式会社レインボー」                 ※片頭痛・偏頭痛も同じです。

 

『片頭痛持ちなのに首筋を温めると楽になる』という方は、両方のタイプを持っている可能性があります。

 

 

 

■漢方の対策

漢方では、頭痛は大きく分けて2種類あり、外感頭痛と内傷頭痛があります。外感頭痛は発症したばかりの新しいもので治療も簡単ですが、内傷頭痛は、慢性的に繰り返すものが多く、体の内側から見直す必要があります。片頭痛は、内傷頭痛に分類され、『臓腑の機能』や『陰陽のバランス』を調整することで対策をします。

 

 

<内傷頭痛(片頭痛)の代表的なタイプ>

①肝陽上亢タイプ

漢方では(肝)血が不足すると、ストレス をコントロールすることが難しくなり、頭痛を起こすと考えられています。生理前・中や排卵期に見られることが多く、治療には、陰血を補う方剤や、症状がひどくなった場合には平肝熄風薬を用います。

 

②肝火上炎タイプ

ストレスを多く抱えていると、気の巡りが悪くなり滞りが生まれ、熱を生じます。熱は上昇する性質があるため、それが頭部に達すると頭痛を起こしてしまいます。このタイプは、強いストレス(音・光など含む)から起こりやすく、片頭痛の方に比較的よく見られます。治療には、熱を鎮める方剤を用います。

 

③脾虚不運タイプ

漢方ではとは『胃腸の働き』のことを表します。脾の働きが落ちると、食べ物から気血(栄養分)を上手く作れなくなるため、頭部に送る栄養も減り、頭痛を起こすと考えられています。疲れ・血糖値の低下・睡眠不足などの時にでやすく、治療には、胃腸の働きを整え、気を補う漢方薬を用います。

 

またには『水分を運搬する働き』があります。脾の働きが落ちてしまうと、水分代謝が悪くなるので、体の中に余剰な水分『痰飲:たんいん』を生み出してしまいます。痰飲は、体内に居座ると、粘りのある『痰湿:たんしつ』や『痰濁:たんだく』へと変わり、頭部に上昇すると、片頭痛を起こす原因になります。このタイプは、梅雨時や台風シーズンなど、天気や気圧の影響を受けやすいのが特徴で、吐き気・むくみ・めまいなどを伴います。治療には、痰湿を取り除く漢方薬を用います。

※胃腸の働きは、頭痛にも大きな影響を与えます。

 

④瘀血頭痛タイプ

緊張型頭痛との合併タイプに多くみられます。首・肩こりなどで血液の循環が悪くなり、血の滞り『瘀血:おけつ』を生じることで、頭部への血流が悪くなり頭痛を起こします。冷え・ストレス・同じ姿勢をとる方などに多くみられ、固定した痛みがあるのが特徴です。治療には、活血化瘀薬を用います。

※上記のタイプは、代表例です。体質や環境により合併することもあります。

 

 

■こんな方に漢方はおすすめ

片頭痛で漢方を用いる際は、以下のような方にお勧めです。

 

●体質から見直し予防したい

●薬が中々効かない

●薬物の連用を避けたい(薬剤使用過多の防止)

●薬を飲むと眠くなってツライ(副作用の軽減)

 

急性期治療の薬物投与ができない方や、薬では抑制できない痛みに悩んでいる方にも、漢方はお勧めです。

発作を抑えたい、痛みを軽くしたい、薬剤使用過多による頭痛を起こさないようにしたい・・・ 等

 

片頭痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

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