2025/03/29 |
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子宮内膜症があっても妊娠できる? ~ケース別に解説~ |
子宮内膜症は、生殖年齢の女性の 約10人に1人 が発症する病気で、そのうち 30〜50%の方が不妊を併発すると言われています。「不妊が心配」「症状を少しでも楽にしたい」・・・ そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「子宮内膜症でお悩みの方」と「不妊と子宮内膜症の両方でお悩みの方」の両方に役立つ情報をお届けします。
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮外に発生し、炎症や癒着を引き起こす病気です。
これにより、以下のような症状が現れます。
✅ 生理痛が強い(鎮痛剤が効きにくいことも)
✅ 排便痛や性交痛がある(激痛になることも)
✅ 慢性的な骨盤痛がある(鈍い・重い痛みが続く)
✅ 不妊症(約30〜50%の方が併発)
子宮外に発生する機序は、完全には解明されていませんが、経血の逆流、免疫異常、血行性転移、体腔の上皮化などの要因が考えられています。
また、子宮内膜症はエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けやすく、このホルモンが病変を刺激して悪化させるため、月経のある年代に多く見られます。
主な発生場所としては、 骨盤内(卵巣・ダグラス窩・卵管・腸管など) が多く、まれに 肺や鼻腔などの遠隔部位 にも見られることがあり、その影響で、生理のたびに鼻血が出る 『月経性鼻出血』 などの症状を引き起こすこともあります。
因みに・・
「生理痛だけだから大丈夫」と思っていても、放置すると症状が進行することもあるため、早めにケアすることが大切です。
「まず治療を優先すべき? それとも妊娠を考えるべき?」
子宮内膜症があると、どのタイミングで妊娠を考えるべきか 迷うことが多いですよね。
結論として、「どちらを優先するべきか」は、子宮内膜症の状態や妊娠の希望によって変わります。
以下のような例を参考にしながら、ご自身に合ったケアを考えてみましょう。
例1:子宮内膜症のケアを優先することがあるケース
・痛みが強く、日常生活に支障をきたしている
・チョコレート嚢胞(卵巣内の病変)が大きくなっている
・子宮や卵管の癒着がひどく、妊娠が難しいと診断された
・免疫異常がある場合(抗精子抗体が陽性・マクロファージの異常活性など)
・繰り返す流産の経験がある など
例2:妊娠を考えながらケアを進めるケース
・軽度の子宮内膜症で、排卵や卵管の機能に問題がない
・できるだけ早く妊娠を希望している
・低容量ピルや鎮痛剤で症状をコントロールできる
・体外受精の計画があるので、子宮環境を整えたい など
子宮内膜症だからと言って、妊娠を諦めないといけない訳ではありません。
内膜症であっても、妊娠することはできます。
ただしそのためには、内膜症の部位や範囲・大きさ、子宮・卵巣の状態、ホルモンバランス、卵管の通り
など、まずは今の体の状態を調べることが大切です。
体の状態が明確になることで、自分にあった最適な漢方を選ぶことができます。
子宮内膜症のケアに漢方を取り入れるのは、次のような目的があります。
✅排卵を妨げずに血流や子宮の状態を整えることができる
✅症状はあるけれど、明確な治療対象になっていない段階からケアできる
✅西洋医学の治療と併用しやすい
【ホルモン治療+漢方】 ➡ 副作用の緩和・体力維持
【経過観察中+漢方】 ➡ 症状の予防・進行抑制
【不妊治療+漢方】 ➡ 子宮環境の調整・卵子の質向上
~タイプ別 漢方アプローチ:例~
例1:『瘀血≒血流が悪い』タイプ
➡ 冠元顆粒、芎帰調血飲第一加減
例2:炎症が強く、痛みがひどいタイプ
➡ 散積宝、爽月宝、田七
例3:『痰湿≒余剰な水分が溜まる』タイプ
➡ シベリア霊芝、五苓散加減
例4:卵胞発育不全タイプ
➡ 参茸補血丸、カキ肉製剤
『子宮内膜症を改善したい』
『妊娠も一緒に希望したい』
※上記のご希望 のタイプにより、月経周期に合わせた漢方薬のアプローチが異なります
✔ 子宮内膜症は症状や状況によって「治療を優先すべきか」「不妊治療を進めるべきか」が変わる
✔ 血流改善や炎症抑制など、『癒着を起こさない』体質ケアが重要
✔ 漢方では体質別に、不妊リスクを減らすサポートができる
不妊症に詳しい国際中医専門員の資格をもつスタッフが、ご自身の体質に合った漢方薬をお選びします。
「私のケースはどっち?」「どんなケアが合う?」などお悩みの方は、お気軽にご相談ください。