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2025/02/17
冷えによる睡眠トラブルと漢方

 

寝る前に、このような「冷え」対策をしていませんか?

 

 

・お風呂を上がってすぐ布団に入る
・湯たんぽや電気毛布を使う
・首もとにタオルを巻く
・頭まで布団をかぶる
・寝酒をして体を温める
・靴下をはいて寝る

上記にあるような寝方をしている人はもしかすると、
冷えによって「睡眠の質が低下」しているかもしれません。

 

以前の記事にも書きましたが「冷えは万病のもと」です。
私たちの体が眠りに入る時、熱を放散して深部体温(体の内側の温度)を下げることでスムーズに入眠する事が出来ます。

 

しかし体が冷えていると、うまく熱を逃がせず、深部体温を下げることが出来なくなるため、寝つきが悪くなってしまったり(入眠困難)、逆に体温を上げようと自律神経が交感神経優位となって夜中に目が覚めたり(中途覚醒)といったことが起こりやすくなります。

 

 

漢方では、こういった「冷え」からくる睡眠トラブルの原因を、「腎陽虚(じんようきょ)」、「気血不足」、「気滞血瘀(きたいけつお)」と捉え、体質に合わせた対策があります。

 

 

 

体質別に見る、冷えによる睡眠トラブル

 

1. 腎陽虚(じんようきょ)

 

腎は東洋医学において生命エネルギーの源とされ、成長や発育、生殖機能をはじめ、水分代謝やホルモンバランスの調整にも関わる重要な臓器です。

 

しかし、冷え、加齢、過労、ストレス、不規則な生活などによって腎の機能が消耗し、腎の陽気(体を温めるエネルギー)が不足した「腎陽虚(じんようきょ)」の状態になると、体を十分に温めることができなくなるため、寝つ気が悪くなったり、途中で目が覚めるといった睡眠トラブルの原因となります。

 

また、腎陽虚では夜中にトイレに起きる頻度が増える事があるため、睡眠の質が低下しやすくなります。

 

 

漢方薬:霊鹿参、参茸補血丸

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2. 気血不足

 

体を温めるために必要な「気」や「血」は、「脾胃(ひい)」(胃腸)で作られます。ですが、元々胃腸が弱かったり、冷たい飲食物の摂取、過労やストレスなどによって脾胃の働きが低下すると、気血が十分に作られなくなるため、血流が滞り、手足が冷えて寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めやすくなったりなど睡眠の質が低下する原因になります。

 

また血の不足により、精神を安定させる働きを持つ「心(しん)」へ十分な栄養が届かなくなるため、不安感や動悸を伴う不眠につながることがあります。

 

 

漢方薬:心脾顆粒、シベリア人参茶

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3. 気滞血瘀(きたいけつお)

 

冷えやストレスで自律神経が乱れると、体温調節がうまくできなくなることがあります。本来、夜は眠るために「副交感神経」が優位になりますが、冷えた体が熱を作ろうとして逆に「交感神経」が優位になり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのです。

 

漢方では、こうした自律神経の乱れには「気滞(きたい)」や「瘀血(おけつ)」が関係しています。冷えやストレス、生活習慣の乱れなどによって気や血の巡りが悪くなると、自律神経の乱れによって睡眠の質が低下するだけでなく、肩こりや頭痛といった不調にも繋がります。

 

 

漢方薬:逍遥顆粒、冠元顆粒

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生活習慣の見直しも大切

漢方薬の力を借りるだけでなく、日常生活での養生も不可欠です。以下のポイントを意識しましょう。

 

 

●規則正しい生活を意識する:食事や起床・就寝の時間を一定にする。朝日を浴びて体内時計をリセット!

 

●適度な運動を取り入れる:日中は軽い運動をし、血流を促しましょう

 

●脾胃を温める:冷たい飲食を避け、温かい食事を心掛けましょう

 

●夕食は眠る3時間前に:夕食が遅くなる時(20時以降)は、消化に良い物にして、腹八分目を意識しましょう

 

●寝る前に冷え対策:眠る1〜2時間前に入浴、深部体温を高めて、寝入りを良くしましょう

 

 

冷えによる睡眠トラブルには、体質に応じた漢方薬と生活習慣の見直しが重要になります。自分の体質に合わせた対策を取り入れ、無理なく快適な眠りを目指しましょう✨

 

 

以前の『不眠と漢方』についての記事もどうぞ♪

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