2025/02/04 |
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突発性難聴と漢方の考え方 |
突発性難聴は、突然発症する原因不明の感音性難聴を指します。30~60歳代の働き盛りの世代に多く見られますが、小児から高齢者にも発症する可能性のある病気です。
通常、片耳に発症し、短期間で聴力が低下するのが特徴です。この症状は、耳鳴りや耳の閉塞感、めまいを伴うことが多く、早期診断と治療が重要です。
適切な治療のタイミングは、発症から1~2週間以内とされており、治療開始のタイミングや個々の病態によって回復の程度が大きく異なります。
早期に開始することで治癒することもある病気ですが、遅れると回復しづらいことがあるため、早めに対処しましょう。
突発性難聴の原因は明確には解明されていませんが、主に以下のものが関与していると考えられています。
血流障害:内耳への血液供給の不足により、細胞や神経が損傷する場合
ウイルス感染:ヘルペスやインフルエンザ等のウイルスが内耳や聴神経に炎症を起こす場合
自己免疫異常:自己免疫反応により、内耳の組織が攻撃され、炎症や機能障害が生じる可能性がある
このほか、遺伝的要因やストレス、生活習慣も発症に関与する可能性が示唆されており、複数の要因が絡み合っていると考えられています
中医学では、突発性難聴を以下の要因と考えます。
肝気鬱結(かんきうっけつ)
精神的ストレスや感情の乱れが肝気を滞らせ、耳への気血の循環を妨げることが原因とされます。
治療法:肝の気を調和させるために疏肝理気薬(逍遙顆粒など)を使用します。
腎精不足(じんせいふそく)
中医学では「腎は耳を司る」とされ、腎のエネルギー不足が聴覚障害の一因とされます。
治療法:補腎薬(亀鹿仙など)で腎を補強します。
風熱侵襲(ふうねつしんしゅう)
外因性の風邪や熱が耳に影響を及ぼし、突発性難聴を引き起こすとされます。
治療法:清熱解毒薬や辛涼解表薬(涼解楽など)を用います。
痰湿阻滞(たんしつそたい)
体内の水分代謝の異常による痰湿が耳に溜まり、聴力低下を招くとされます。
治療法:健脾化湿薬(温胆湯など)を使用し、痰湿を取り除きます。
突発性難聴の急性期は「風熱侵襲(ふうねつしんしゅう)」や「痰湿阻滞(たんしつそたい)」が多く見られますが、慢性期に入ると「腎精不足(じんせいぶそく)」や「気血瘀阻(きけつおそ)」が関与すると考えられています。 同じ病気でも、体質や症状の進行具合により用いる方剤も異なるため、詳しくは店頭にてお聞かせください。
突発性難聴は、ある日突然起こる病気ですが、「耳の詰まり」「耳鳴りが増えた」「音の聞こえ方の違和感」など、小さなサインが出ていることもあります。もし「最近、耳の調子が気になるな…」と感じたら、それは体が回復を求めているサインかもしれません。
耳の健康を守るために、どんな漢方薬が合うのか、中医学の専門知識を持つスタッフ(国際中医専門員)が、お一人おひとりのお悩みに寄り添ったカウンセリングを通して、突発性難聴が起こる背景(体質・ストレス・生活習慣)を掘り下げ、根本から改善を目指すご提案をいたします。
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