2025/02/10 |
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水をたくさん飲むのに潤い不足!? |
「1日に2リットルの水を飲んでいるのに、喉の渇きが取れない」
「水分補給を意識しているのに、肌や唇が乾燥する」
「便が硬く、水をたくさん飲んでもスムーズに出ない」
↑こんな経験はありませんか?「水をたくさん飲めば、体の潤いが保たれるはず」と思っているのに、なぜか潤いが足りない——実は、それには理由があります。
漢方では、私たちの体に必要な「潤い」を「陰液(いんえき)」と呼びます。陰液とは、血や津液(体に必要な栄養や水分)のことで、肌や粘膜を潤し、内臓の働きを助ける大切な役割を担っています。しかし、単に水を飲むだけでは陰液にはならず、体が水分を適切に吸収し、保持する力がなければなりません。
では、なぜ水を飲んでも潤いが足りないと感じるのでしょうか?その原因として、主に3つが考えられます。
五臓の脾の機能が低下すると、水分を適切に吸収・代謝する力が弱まり、余分な水分(湿邪)が体内に滞ります。その結果、水を飲んでもうまく利用できず、むしろ余計な湿気が溜まることがあります。
✅ こんな症状はありませんか?
・体が重だるい、特に朝がつらい
・むくみやすく、水を飲むとお腹が張る
・べたつく痰が多い、鼻水が多い
・舌に厚い白苔や湿った苔がある
✅ おすすめの食材
山芋、ナツメ、もち米、蓮の実 など、脾を養う食べ物を摂る
ハトムギ(ヨクイニン)、陳皮、白朮、冬瓜 など、湿を取り除く食べ物を取り入れる
✅ おすすめの漢方
健胃顆粒:脾を補い、水分の吸収をサポート
イスクラ温胆湯:痰湿を除去し、水の巡りを改善
肺と腎は、体の潤いを保つ重要な臓器です。肺気が不足すると、水分を全身に巡らせる力が弱くなり、腎が弱ると、水分を保持する力が低下します。
✅ こんな症状はありませんか?
・乾燥した咳が続く
・口や喉が乾燥し、水を飲んでもすぐに渇く
・ほてりや寝汗がある
・夜中に何度もトイレに行く
・疲れやすい、息切れしやすい
・声に力がない、話すとすぐに疲れる
✅ おすすめの食材
黒ごま、クコの実、白木耳(しろきくらげ)、山芋、ナツメ などを取り入れる
✅ おすすめの漢方
八仙丸:腎陰を補い、体の奥から潤いを守る
麦味参顆粒:気陰両虚による疲労と口渇を改善
陰が不足すると、体を冷やし潤す力が弱まり、相対的に火(熱)が強くなります。これにより、水分を摂取しても体内に留まらず、蒸発しやすくなります。
✅ こんな症状はありませんか?
・体のほてり、特に午後や夜に強くなる
・口や喉が異常に乾くが、水を飲んでもすぐに渇く
・寝汗をかきやすい
・のどの痛みや違和感が続く
✅ おすすめの食材
梨、蓮の実、クコの実、桑葉 など陰を養いながら熱を冷ます食べ物を取り入れる
✅ おすすめの漢方
滋陰降火湯:陰虚火旺による咽喉の痛みや慢性咳にも効果的
瀉火補腎丸:腎陰虚によるのぼせや寝汗に対応
「水をたくさん飲んでいるのに、肌や喉が乾燥する。でも、それだけで相談していいのかな?」
実はこうした小さな違和感こそ、体の不調を知る大切な手がかりになります。
肌や唇の乾燥、寝つきの悪さ、便の変化、疲れやすさなど、一つ一つは大したことがなくても、積み重なると、気づかないうちに生活の質(QOL)を大きく下げる原因になります。
潤い不足の解消に大切なのは、「どれだけ飲むか」ではなく、「どうすれば体にうるおいが行き届くのか」を知ること。
✅ こんな方に漢方はおすすめ
・水をしっかり飲んでいるのに、乾燥が気になる
・原因がわからないけれど、潤い不足を感じる
・食生活を変えても、なかなか改善しない
水を飲んでも潤わない理由は、「吸収できない」「巡らない」「熱がこもる」——どこに原因があるかによって、対策が異なります。当店では、中医学の知識をもつ専門スタッフ(国際中医専門員)が、あなたの体質に合った「潤うケア」をご提案します。体の潤い不足を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。