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2024/10/05
若くても物忘れ(健忘)!? 漢方薬と養生

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物忘れというと高齢者に多いものと考えがちですが、近年では若い世代(3、40代)にも「物忘れ(健忘)」のお悩みが増えています。

 

年齢を重ねるにつれ物忘れが多くなる事からも分かるように、

物忘れの一番の原因は「加齢」です。

 

もし年齢が若いのに急に物忘れがひどくなったり、あまりにも頻度が多かったりする場合は、

「加齢」以外に他の原因があるせいかもしれません。

 

近年若い世代に増えている「物忘れ」は、スマホの見過ぎなど脳に負担をかける事でおきる「脳疲労」、

「ストレス」「睡眠不足」、「脳の疾患(脳梗塞など)や外傷」などが原因となっています。

 

漢方では、これらの原因や体質等によって「物忘れ」に使う漢方薬や養生法が変わってくるため、まずは自分の体質を理解し、自身にあった養生を心掛けましょう。

 

 

 

 

 


 

物忘れの漢方的考え方

 

・腎精不足 (腎虚(じんきょ)) 

前述したように物忘れ(健忘)の一番の原因は加齢です。

 

なぜ加齢が物忘れの原因になるかというと、漢方において脳と関係の深い臓腑である「腎」の働きが年齢とともに衰えてくるからです。

 

 

腎には、『腎精(じんせい)』と呼ばれる脳を養うために必要な生命エネルギーや栄養を貯蔵する働きがあり、年齢とともにこの腎精が不足(腎虚)する事で脳の機能が低下し、物忘れの原因となります。

 

 

では、腎精の不足は若い人に関係の無い話かというと、そうではなく、元々体が弱かったり、食生活の乱れ、夜型の生活による睡眠不足、無理なダイエット、過度のストレスなどによっても腎精の不足は引き起こされるため、若いからといって油断は禁物です。

 

 

年齢より老けて見えたり、白髪が多い、髪の毛が抜けやすい、足腰のだるさや弱り、難聴、耳鳴り、骨や歯のトラブル、早漏、インポテンツなどの症状に心当たりのある方は注意が必要、腎への負担を減らすためにも、とくに「冷やさない」「質の良い睡眠をとる」ことを心掛けましょう。 

 

 

 

・瘀血(おけつ)

血液の巡りが悪くなり、体内に血の滞りが生じている状態を漢方では「瘀血(おけつ)」と呼びます。

 

 

瘀血によって脳への血流が滞ると、酸素や栄養が十分に行き届かなくなるだけでなく、脳にたまった老廃物をとり除けなくなるため、脳の機能が低下し物忘れや記憶力の低下が起こりやすくなります。

 

 

瘀血は、食事や生活習慣の乱れ、怪我や病気、ストレス、運動不足、冷え、加齢などによって起こります。そのため若い方でも手足など末端が冷えやすかったり、慢性的な頭痛や肩こり、あざやシミが出来やすい、生理痛が重いなどの特徴に当てはまる方は、生活習慣を改め、適度な運動や入浴などで体を温める事が大切です。

 

 

 

・心脾両虚(しんぴりょうきょ)

情報があふれる現代社会では、思い悩んだりストレスを感じる機会が多く、脳への負担が増えている事も健忘の原因になっています。

 

 

漢方では、過度のストレスや思い悩みすぎると、全身に血を巡らせる働きと精神活動のコントロールを行う「心」と、消化吸収を行い気血を作る「脾」の働きが低下した「心脾両虚」と呼ばれる状態になり、物忘れ以外に不眠や不安感、胃腸のトラブルなどが引き起こされます。

 

 

そのため、元々胃腸が弱かったり、食欲不振や過食をしやすいタイプの方は、出来るだけストレスの影響を減らすためにも、食生活を見直すなどして胃腸への負担を減らしたり、長時間のスマホやパソコン作業などは控え、適度に休憩をとるようにして脳への負担を減らす事を意識しましょう。

 

 

 

 

まとめ

現代社会では、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れ、スマホの見過ぎなどによる脳への負担が増えたことで、物忘れに限らず、うつや不眠など多くのお悩みの原因となっています。

 

いまは認知症でなくても、そのままにしておけば認知症へ進行してしまうリスクもあるため、物忘れや軽度認知障害(MCI)など早い段階のうちに、はやめに対策しておく事が大切です。

 

物忘れの改善のために自身の体質を理解しておけば、体質に合った漢方薬を選べるだけでなく、原因となっている行動や習慣も分かるため予防や対策がしやすくなります。

 

自身の体質を理解するためにも、まずは一度専門家や漢方薬局にご相談下さい。

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