2019/08/31 |
---|
起立性調節障害 |
症例
Q:高校生 女性
希望の学校へ進学でき楽しく通学していましたが、5月の連休明け頃から、食欲がなくなり朝起きた時、体がだるくムカムカしてふらつき、立ち上がることが出来なくなりました。頑張って準備しても、腹痛が起き登校することが難しくなってきました。
それでも週3日くらいは学校に行っていましたが、すぐに気分が悪くなり保健室で過ごすことが多く、先生から病院に行くように勧められました。
早速母親に相談して、子供の時から通っていた小児科で検査してもらいましたが、貧血が少しあるけで他に異常はなく、起立性調節障害の疑いがあるとのことで、特に治療はありませんでした。
原因がわかったので、少し気持ちはやわらぎましたが、やはり不安でこれからのことを母親と相談していた時、日頃おばあちゃんがお世話になっている漢方薬局へ相談しに伺いました。
A:起立性調節障害は、朝起き上がるとき、頭や心臓に行く血液が一時的に不足することで、立ちくらみ・めまい・食欲不振・倦怠感・頭痛・頻脈等の症状が現れる病気です。特に思春期の場合、生理などでホルモンバランスが崩れやすく、血圧などをコントロールする自律神経への負担もかかりやすいため、この病気になる方も少なくありません。
漢方では、元気の源である気の不足(気虚)や血の不足(血虚)が原因と考えます。
この気・血は胃腸からつくられるため、胃腸を整える【健脾薬】や気の不足を補う【補気薬】、また胃腸が元気になった辺りから、血の不足を補う【補血薬】をお勧めしました。
生活養生としては、まずは早く寝て【起きられなくても起床時間は決めておく】・【日光を浴びる】・【昼間は散歩など、できるだけ体を動かす】また食事は【朝は水分・塩分をしっかりとる:温かい味噌汁など】などお伝えしました。
経過:飲み始めて4~5日くらいで、お腹の調子が良くなり食欲が改善。2週目くらいから気分が良くなり、ふらつき・だるさがも軽く感じるとのこと。2ヶ月後、午前中登校が少しずつできるようになり、現在は、体調もすっかり回復し、元気に登校されています。
起立性調節障害は、以前はやる気がない・なまけ等と勘違いされていましたが【身体の病気】です。
ただ現在は病院での薬で、特効薬といわれるものはありません。
大事なのは、身体の根本から元気を取り戻すこと。漢方には、その力があります。
お心当たりのある方は、お気軽にご相談下さい。