漢方コラム・ニュース

冷え性・むくみ

2014/04/23
冷え性・むくみについて

◆冷え性について

冬場だけでなく、夏もクーラー等で季節を問わず増えてきている冷え性。
特に女性の場合は、男性と異なり筋肉量が少ないことや、生理で血の量も減ってしまうため、冷えるケースも多くなってしまいます。

 

・ 生理痛、生理不順
・ 肩こり、頭痛
・ 腰痛、関節痛
・ 不妊
・ 不眠
・ 肌荒れ
・ むくみ
・ 腹痛、下痢

 

上記以外にも冷えることで、起きる症状は様々…
漢方では、冷え性で起こる原因を主に3つに分けて考えます。

 

1. 陽気不足…

陽気とは、体の中を温めるエネルギーのようなもの。このエネルギーが不足すると、外部から悪い邪気(じゃき)(病気を引き起こすもの)が侵入しやすくなったり、体の内側から冷える内寒(ないかん)を生じやすくなるため、強く冷えを感じるようになります。

 

2. 陽気の流れが悪くなる…
陽気の流れが悪くなると、体の末端まで分布しないため手足の冷えがおこってしまいます。情緒失調・ストレスなど、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることでおきると考えられています。

 

3. 血(けつ)が不足する…
慢性疾患や消耗性疾患で血が不足すると、体に栄養を行き渡らせることができず、体を温める力が低下し寒(かん)邪(じゃ)(寒さを引き起こす邪気)の影響を受けやすくなり、血液の流れが滞ることでおきるようになります。

体の表面は服を着れば温めることができますが、内側の冷えはそうはいきません。
漢方薬で冷え性になりにくい元気な体づくり、一緒にはじめてみませんか?

体を温める生薬いろいろ

◆トウキ
カラトウキというセリ科の植物の根っこ。味は甘辛く、体を温める性質があります。
血に潤いや栄養を与えたり、お通じを良くすると言われています。

 

◆センキュウ
北米でも人気のあるハーブの仲間。味は辛みがあり、血の流れ良くし、頭痛などの痛みを抑える働きがあると言われています。

 

◆オウギ
マメ科の植物の根っこを乾燥したもので、止汗・排膿の働きの他、最近では免疫力を高めることで、花粉症にも効果があると言われています。

 

◆ジオウ
ゴマノハグサ科のアカヤジオウの根っこ。生や乾燥したものは、熱を下げる働きがあり蒸したものは血を補い体を温める働きがあります。

 

◆ニンジン
漢方のニンジンは一般的なニンジンではなく、オタネニンジンという植物の根っこを利用しています。味は甘みもありますが、若干苦味もあるのが特徴。疲労回復はもちろん胃を元気にしてくれる働きも。

 

◆コウカ
薬膳にもよく使われるベニバナ。種子から取れる油(紅花油)は、コレステロールを下げる働きがあるとも言われています。生薬として用いるのは花弁の部分。血液の流れをよくするので、月経痛・生理不順などに用いられます。また血行を良くするので入浴剤として使っても効果的です。

 

◆ロクジョウ
鹿の牡の幼い頃の角。体を温める以外にも、強壮作用もあり、ホルモンの働きを高めてくれます(動物生薬には、多数体を温める働きのものがありますが、効果も強いので必ず専門の方の指導のもと服用して下さい)

 

※漢方薬はいくつもの生薬が入って効果が現れるもの。生薬単体で考えるのではなくバランスが非常に重要です。体を温める生薬はたくさんありますが、これら生薬はあくまで「こんな生薬が入っていたら温めるんだな」くらいの参考にして頂き、詳しくは店頭でお聞き下さい。

 


◆むくみについて

朝起きたら顔がパンパン… 夕方足のむくみがひどくて靴が窮屈に感じる…
むくみは外観にも影響するので、女性は特に解消したい悩みではないでしょうか?
むくみとは「浮腫み」と書くように、余分な水分が皮膚表面に「浮いて腫れている」状態をいいます。
余分な水… 漢方では「痰(たん)・湿(しつ)」と呼ぶのですが、「肺(はい)・脾(ひ)・腎(じん)」の主に3つの臓器にトラブルが起きた時に生まれやすいと考えます。

 

例えば…

 

「肺≒呼吸」は体の水分の循環に大きな影響をもっています。リンパ液の流れは主として横隔膜の運動に合わせて流れるため、風邪などで呼吸機能が弱ってしまうと、瞼や顔にむくみが現れ、その後急速に全身に広がってしまいます。そのため発症前や初期には、発熱・悪寒・咽頭痛などの症状を伴うことがあります。
治則)熱を発散させ、肺の機能を取り戻し「水・湿」を排泄させます。
漢方薬例)越婢加朮(えっぴかじゅつ)湯(とう)、苓甘姜味辛夏仁湯など

 

「脾≒胃腸」は水の取り入れ口です。暴飲暴食などで胃腸が弱ってしまうと、手足や体全身にむくみが現れます。
また下痢・軟便、体が重だるい、食欲不振、胸・腹部の膨満感、悪心などの症状を伴うことがあります。
治則)胃腸を整え、「水・湿」を排泄させます。
漢方薬例)五苓散、茵陳五苓散、柴苓湯など

 

「腎≒膀胱」は尿と深い関係があり、病気や過労などで腎が弱ってしまうと、下半身にむくみが現れます。また腰が冷える・腰痛・手足の冷え・尿量減少などの症状を伴うことがあります。
治則)腎の働きを助け、体を温めることで「水・湿」の通りを良くし排泄させます。

 

漢方薬例)真武湯・牛車腎気丸など

どんな原因で、どこに水が溜っているのかを見極め排泄させること、それが重要です。

むくみやすい方の養生法

◆肺の弱いタイプ…

「肺」は辛いものを好むと言われています。適度にとることで、代謝を高め余剰な水分を取り除きましょう! また肺は呼吸と深い関係があるため、適度な運動も肺を強くするのにオススメ。難しい方は、日に何度か深呼吸をしてみて!

⇒ 呼吸をしっかり整えましょう
⇒ 手足をしっかりと動かしてみて(手をグー・チョキ・パーと動かす)
⇒ 辛いものや香辛料を上手に取り入れましょう

 

◆胃腸の弱いタイプ…
基本はよく噛んで食べることが大切。水分は温かくしてとり、胃腸に負担のかかる食事、流し食い、麺類、繊維質、脂肪分の多い食物、寝る前の食事などは注意しましょう。

⇒ 食事はよく噛んで食べましょう
⇒ 温かいものをできるだけ取りましょう
⇒ 消化の悪い食べ物には注意しましょう

 

◆腎系の弱いタイプ…

水分の取りすぎには注意しましょう(ご高齢の方は特に水分代謝が落ちているので注意!)塩分を取りすぎないで、海産物を取るよう心がけて。くるみなどの木の実もこのタイプの方にはオススメです。

⇒ 塩分のとりすぎに注意しましょう
⇒ 疲れをためないよう適度に体を休めましょう
⇒ 自分の体に合った水分の取り方を考えましょう

 

※タイプは一つだけとは限りません。複数当てあてはまる場合もあります。

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